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MARUMASU MOTOCLASSICA

2024 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 2010/2011 FIM World Speed Record : 2011/2014 AMA National Champion : 2017 Fastest EV Motorcycle in Colorado Mile Race.

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'90y FXR / '79y FLH。

エボとショベル、2台の1次ドライブ回り作業です。

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先ずはFXRから。

1次ドライブで一番厄介なのがステーターコイルのコネクターをクランクケース側の穴に入れる作業です。キツくてなかなか入れ難いし、無理に作業するとステーターコイルからの配線を痛めてしまいます。

ここを上手く行う方法として秘密の技??を披露すると、トップ画像のようにエンジンスプロケットシャフトを逆さまにしてフライホイールに差し込み、シャフトのエッジに先の曲がったロングノーズプライヤーを当て「テコの原理」で押し込みます。すると少ない力で真っ直ぐにコネクター部分を差し込む事が出来ます。是非一度お試しあれ。

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ステーターコイルの取り付けが一番骨が折れるのですが、ここさえクリア出来ればエボやTCでは作業は終わったようなものです。

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いつものようにオルタネーターが干渉しないかチェック。

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オルタは社外の強化タイプに交換したので純正とはボス幅が異なります。よって一度ドライブを仮組みして、プライマリーチェーンのストレートを出します。

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これだけのシムやスペーサーが不要になりました。

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これは仮組み。チェーンラインのチェックが終了したらもう一度ロックタイトを使って本組みします。

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クラッチバスケットのCリングは負荷で楕円に変形している為、必ず新品に交換します。

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最後にレギュレターを交換して作業は概ね終了です。

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取り敢えずエンジンを始動して14V以上充電している事を確認したので、プライマリーオイルを入れての仕上げはまた後日。

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お次はショベルFLH。此方も当店ではお馴染みの車両。

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メーターダッシュがアーリーショベルのもの(当然当時の純正部品)に変わっていたりライザーが変わっていたり。当時モノの部品と現行部品を上手く組み合わせ、時代背景に準じた自然な雰囲気に仕上がっています。このあたりはオーナーさんのセンス。

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要修理なのはスターターワンウェイなのですが、まずは1次ドライブをリファインしたいと思います。

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この車両はプリモの乾式ベルトドライブに交換していますが、クラッチは純正のままでした。

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純正の3スタッドクラッチハブはスタッドに凸凹が出来てあからさまにキレが悪そう。クラッチミート時にプレートが傾くので1速に入れたままクラッチを握って止まっていると、前に進まないにせよグワングワンと嫌な感じが指に伝わる事がショベルヘッドではほとんど。

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で、SSTを使ってまずはクラッチバスケットを外します。ショベルはT/Mメインシャフトがテーパーキーですので噛み込んでおり素手ではまず外せません。

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クラッチバスケットからハブASSYを外しました。ラムジェットリテーナーが組んでありましたがそんなものは”気休め”程度のものですのでハブのガタは大きく、それがショベルヘッドのクラッチフィールの悪さにも繋がっています。
まぁしかし、ラムジェットリテーナーを固定する3個のスナップリングがなかなか外れず、イライラしました。笑

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プリモのベルトドライブ用バスケットに同じくプロクラッチのハブをインストール。裏側から6本のボルトで固定します。エボ後期以降と同じようなバカデカいベアリングが入っているので回転はスムーズですし左右方向のクリアランスはほぼゼロ。クラッチフィールが良くなるのは当然。固定ボルト一本が馬鹿になっていたのでハンドルスイッチ用のステンレスキャップボルトに交換しました。

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あと何故かプロクラッチに付属するダイヤフラムスプリングがシルバーの中強度用だったので、普通の強度の黒いスプリングに交換しました。ストックショベルヘッドのエンジンにシルバースプリングはクラッチ操作が重いだけなので不要です。

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ここまでの作業をご覧頂いて、エボとショベルと違えど、同じような1次ドライブ回りの作業をしています。

しかし、ショベルヘッドは構造の悪さやそもそものアルミや鉄の材質の悪さや経年劣化、精度の低さから、大袈裟に言えばどこも食い込む程になるので脱着するにもエボと比べても手間がかかります。
そのうえ定期的にメンテナンスしなければならない箇所も多いので、よほどショベルに愛着があるか、整備に回すお金に余裕があるかでないと良い状態で乗り続ける事は厳しい思います。

若い子が憧れでショベル欲しいです、格好良いから、と言って最新のインジェクションハーレーからショベルチョッパーに乗り換えるのを多く見ますが、当店ではまずオススメしません。
よほど良いコンディションに整備されたものを買わないと、しょっちゅう壊れますし、車検毎に行う整備だけでもエボとは雲泥の差となります。ツインカムと比べたらアホ程お金が掛かります。

このショベルヘッドはずっと当店で整備を行なっておりお盆やGWには何百キロに及ぶツーリングを行われていますが、かなりマメに整備をしていますのでマイナートラブルこそありませんが、ベルトが切れたりバッテリーが死亡したりといった事が稀にあります。それでもこのオーナーさんはショベルが好きなので降りませんが、憧れだけで乗れる単車じゃないと思います。

同じ79年式だとしても整備してある日本車なら誰でも乗れるし気遣い不要ですが、ハーレー、それもショベルやそれ以前の車両となれば、キチンと面倒をみてくれるショップさんと付き合いが無ければ楽しく乗れるなんて事は皆無だと思います。どんなに好きで格好良かったとしても、頻繁にレッカーのお世話になるようではそれはもう単車ではなく、申し訳無いけど鉄屑同然、だと思います。


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続きます。
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