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MARUMASU MOTOCLASSICA

2024 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 2010/2011 FIM World Speed Record : 2011/2014 AMA National Champion : 2017 Fastest EV Motorcycle in Colorado Mile Race.

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★ボンネビル回顧録~初日。

今更感がありますが。
現地ではずっと手記をとっておりましたのでとりあえずアップしてみます。

【8/28 インスペクション、レジストレーション】


午前3時に寝たにも関わらず、6時過ぎ眠れず起き出した。外は明るくなってきておりカメラを持ってモーテルの回りを撮影。
カズヒロとイワキクンものろのろと起き出し、モーテルのフリードリンクの割には旨いコーヒーを飲みながら時間を潰した。

09:00 出発。モーテルのあるウェストウェンデバーの小さな町からボンネビルへは3マイルほどなので直ぐなのだが、ソルトフラッツに入る手前で入場の手続きを行っており一直線の道路は大渋滞。塩の平原に入った頃は既に10時を回っており、平原に並ぶ車列の間にバンを停めて、まずは車両を下ろした。

ソルトフラッツに踏み入れた瞬間は、写真や動画を撮ってみたりしてテンション高めであったが、3人で記念撮影後エンジンをかけてみるとケースの内圧でシリンダーベースから細かな泡が出ているのを確認した・・・・着いて直ぐにこれかよ、と意気消沈したが、カズヒロがヘッドのブリザーボルトを外してチェックしだしたので気を取り直して整備する。

まぁ簡単に直せる部分でも無いし、部品も無いのでまずは車検に向かう。
既に数十台が並んでおりずっと順番待ち。

3000ccクラスのワールド/インターナショナル・レコードホルダーのKOISOさんが先に並んでみえて、日本から来たと話すと色々親切に教えてくれて終始助かった。余談だが今回このレースに参加しているアジア系の人間はKOISOさんと当方らだけのようだった。

その間色々写真を撮ったりハナシをしたりしていたが、一時間以上経ってから順番が回ってくるとプレ・インスペクションのペーパーワークが足りないとBUBのスタッフに言われ、車列を外された。

急いでインスペクションの列にまた並ぶ。

今日はひたすら並んで待つばかり・・・疲れてはいたが思考能力も暑さと照り返しでかなり麻痺していたので何も考えずに待つ。
しかしながら白人連中はやたらと話し好きなので誰彼話しかけられ、その都度英語で話すのは脳が疲れた。

朝は少し緩かった塩も午後からは固く乾き、良い状態に変化した。

15時を回ると平原に風が出てきた。

途中近隣に位置するエアフォースベースを飛び立ったA10爆撃機が超超低空飛行で会場の脇をかすめ、如何にもアメリカ人っぽい歓迎を受けた。

16時で今日のレギュレーションは終了だったが、AMAではなくFIMから参加した3台、スズキ2台と当方のFXRが最後の3台で、スタッフらは早々にテントを撤収しだした。

それでも車検を行う親玉のような方が気を遣ってくれ、最後で悪いな、とか直ぐに済ませるから待っててくれ、などと声を掛けてくれ逆に気を遣ってもらって恐縮だった。

本当に沢山の人に美しいナイスバイクだ、と褒められたのだが、やはりアメリカ人のハーレーに対する思い入れは半端の無いもので、実際ハーレー以外の、ハヤブサなどの日本製のバイクが同数以上いるように思えたから、東洋人が持ち込んだハーレーに対しても、人種を超えて対等に接してくれていたのだと思う。

未だハーレーはアメリカにとって唯一無比な存在であることが言葉以上に感じた。

で、インスペクションは本当に最後の1台になった。

まずはヘルメットとスーツ、グローブのチェックで、スーツとグローブは問題なし。ヘルメットもJISの規格なので検査官はマニュアルを調べてはいたが、事前にルールブックで読んで熟知していた部分なのでやはり全く問題なし。

その後車両の車検に入り、待ったお陰か、それともわざわざ日本からハーレーを持ち込んだ日本人に敬意を払って頂いていたのか、ほとんど問題なし。KOISOさんに指示されていたシートカウルの高さやフロントフェンダーのカバード具合は一切お咎めが無かった。

但し2点修正あり。

チェーンガードの長さが足りないのとバルブシムがラバーであるというポイント。

チェーンガードはなんとかなるとして、バルブシムが金属じゃないと駄目な事には、ほとほと困った。

すると車検屋の親玉が、HONDAのトレーラーを見たか?というのでああ、見たよ、赤いデカいトレーラーだよね?というと、彼らならほとんどの部品を持っているから一緒に行って聞いてやる、というので彼の車に乗せて貰ってピットエリアに駐車するHONDAのトレーラーに。

HONDAのスタッフに彼は、「彼は日本からわざわざやって来て、美しいナイスハーレーを持ち込んできたんだ、トラブルが2点ほどあるが走らせてやるのに手を貸してやってくれないか?」と説明してくれた。

チーフのような方とワールドレコードホルダーでもある綺麗な女性ライダーに「勿論喜んで」と言われ握手。

チーフはタイヤチェンジャーは無いから難しいが、タイヤを外さずジャッキアップだけしてバルブだけを交換すれば良いのではないか?と言ってからトレーラーの中へ向かうと、なんと金属のバルブシムを手に持ってきた。

ワークス並みの体制でメンテナンスを行う彼らの装備は驚愕に値するが、心配するな、といって何処の馬の骨かも分からないような当方にバルブを手渡し、車検屋のオヤジが幾らだ?と聞くと無料だ、といって当方の手に渡してくれた時には正直涙が出そうになった。

その後も、明日作業するのに必要なものがあれば気軽にピットに来てこの場所を使え、といってくたり、車検屋の親分も作業方法や必要な部品を絵に描いて説明してくれたり、また他のチームにも当方の事を説明してくれて工具が無いか聞いてくれて本当に感激した。

言葉にすると陳腐であるが、彼らの"施し"は素晴らしいものだったし、何より一緒にボンネビルを走る、という目標に向かっている同じ人間同士として、当たり前に対応しているだけだ、というその自然さにボンネビルの”底力”というものを感じた。

まだコースを走ってもいないが、今日の体験だけでも遥遥日本からやって来た意味は大いにあったと思う。彼らの好意に報いる為にも、そして自分自身の為にも、この真っ白な世界を走る事が今の自分にとって最も重要な事であり、この体験はハーレーに関わるものとして、ハーレーという乗り物の本質を知る為にも、そしてそれを他の方々に知らせる為にもベストを尽くさなければならないと強く感じた一日だった。

同行している二人も暑く辛い一日だったと思う。結局食事は一度もとれなかった。

助けてくれた事に本当に感謝している。
実作業は勿論の事、精神的な支えにもなってくれていたと思う。


明日は車検を無事通し、出来ればマウンテンコースを試走してみたい。

2010年8月28日

~ボンネビル手記より~
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